ボラでした。

日の暮れたマレーシアのジャングル奥深く、怪しく光る二つの青白い光。正体不明の野生生物は虎なのか。パニックを起こす仲間。しかし、私のアングラーの本能がリールを巻く手を休ませてはくれない。野生生物は徐々に近づいてくる。張り詰めた空気。そして一気に抜きあげたその正体は。。。ボラでした。

シーバスでベイトリールを1年使ってわかった8のこと

シーバス釣りを始めて2年目となる初心者たるわたくし、お恥ずかしながらベイトリールを使っております。

むしろベイトリールしか持っていませんし、ベイトリールでしかシーバスを釣ったことがありません。

昨今のシーバス人気(ブラックバス人気の凋落?)もあってかメーカーもシーバスゲーム用のベイトタックルを投入していて、わたくしもベイトシーバスを始めるにあたってはネット情報を散々にあさったことを覚えております。

 

今回わたくしなりにベイトによるシーバス釣りを続けてみてわかったことをまとめていってみたいと思います。

 

※東京周辺の湾奥と呼ばれるエリアでの実釣経験をもとに、私的感想を断定的にまとめておりますので、ご参考とされる場合ご注意ください。

 

1.バックラッシュは気にならない

バックラッシュを含めてキャスティングは慣れるしかない部分です。

ベイトタックルの扱いに慣れるということもありますが、バックラッシュ自体に慣れるという意味もあります。

よく言われることですが、ベイトタックルはキャスト自体が楽しいというのは恐らく多くのベイトリール使いの人にとって事実です。

ただし、そこにたどり着けない場合に、スピニングに戻ったり、場合によっては釣りをやめてしまうこともあるかもしれません。つまり、現在ベイトリールを使っているアングラーは多少なりの淘汰の先にいるということです。

1投1投が楽しいのであれば、バックラッシュを起こしたところでさして気にならず、ただの失投としか感じません

ただし、1投めで再起不能のバックラッシュを起こしたときはだまって帰るしかありません。

 

2.飛距離はスピニング及ばない(が、そんなに問題にならない)

単純な飛距離という意味では、値段が高いベイトタックルはキャスト技術が未熟でもかなり飛距離が出しやすいです。

それでもスピニングタックルに及ぶことは難しいでしょう。

特に湾奥などプレッシャーの高いエリアで軽量ルアーを中心にローテーションする場合などは圧倒的に不利です。

とはいえ、遠くに飛ばせば釣果が上がるという方程式が成り立たないことを前提とするならば、飛距離はあまり意味のないものになります。

さらに、狙いたい潮目に届かない場合に、スピニングなら届くのに。。というケースと、かたやスピニングでも届かないというケースは両方成立し得ます。

つまりスピニングと飛距離をくらべて劣ることは事実ですが、有利or不利の議論の対象とはなりません。

 

3.右巻きか左巻きかは悩む

スピニングリールと違い、ベイトリールはハンドルの向きを変えられません。

これを機会損失と考えるかは別の議論になりますが、少なくとも購入にあたりどちらかを決断しなければならなりません。

これはユーザへの負担といっていいでしょう。

ネット上でも右巻きは情弱だとか左巻きはバス厨だとかいろいろ言われているようです。

ただしこれも慣れでカバーできますし、右だから釣れた魚や左だから狙えるポイントといったことはありません。

どちらでもいいと思います。どちらでもいいという決定打のなさこそが悩みがつきない理由です

つまり、現在左巻きのスピニングリールを使っているのであれば、そのまま左巻きで問題ないということです。

 

4.キャストコントロールはキャスト精度とは関係ない

よくベイトリールのメリットとしてあげられているのがこれ。

キャストコントロールがつけやすいと言われる理由はサミング(指ブレーキ)です。

ポイントに対して強く投げすぎた場合などに、スプールを直接押さえることでルアーの制動を止めらること。このことをキャストコントロールが良くなると言い換えていると思われます。

ただし、失投に気付ける場合のほとんどは飛んでいるルアーを目視で確認できることが前提となります。

近距離で明るい場所ならともかく、夜間の遠投ではあまり意味のないことです。

そもそも、ロッドからルアーが離れた後のコントロールの話となりますので、キャスト技術(精度)そのものとは関係ありません。

かのO野Uき氏などスピニングタックルでとんでもない精度のキャストをしています。

ベイトタックルにしたからといってキャスト精度が上がるということではありません。

 

5.手返しはよくなるがあまり関係ない

こちらもベイトリールのメリットとしてよく挙げられています。

実際、(特に左巻きのベイトリールで)ベイルを返す手間が省略できることは、体感上非常に楽です。

これはベイトタックルの構造上使用者との一体感が強いことが、たかだか一手間の省略をより大きく感じさせるためです。

 

ただしこれもシーバスゲームにおいてはあまり重要とは言えません。

遠投かつ巻きの釣りが中心の場合に一秒に満たない手数の省略は意味がないと言えますし、ラン&ガンといわれるようなスタイルにおいても、実際には移動しながらキャストを連射するようなことはない以上、やはりメリットを享受する機会は少ないと言えます。

 

6.巻き上げパワーはある(足りている)

これも良く言われます。

少なくともシーバスを相手に巻き上げパワーが不足していることを感じたことはありません。

これについてはハンドルとスプールの関係上、ベイトリールのほうがトルクが出る言われていますが、むしろ比較的ローギアなのが大きな理由のなのではないでしょうか。

その場合スピニングでも同じことが言えるはずです。つまりベイトリールの固有のメリットではなくローギアのリールは、巻き取り速度が遅い反面巻き上げパワーがあると言えます。

 

7.夜より昼

結局キャストコントロールや岸ジギなど日中帯の釣りへのメリットは非常に多いと感じます。

そう考えるとバス釣りでベイトタックルが当たり前のように使われているのも納得できます。それはベイトフィネスを含めて、ベイトタックルを使うということに迷う理由がないということです。

一転、シーバスゲームではどうでしょう。現在シーバスゲームのメソッドのほとんどが夜の釣りを前提にしています。そのためベイトリールのポテンシャル如何に関わらずそのメリットを享受する機会に出会いづらいと言わざるを得ません。

 

8.かっこいい(はずかしい)

少なくともわたくしにとってはベイトリール=釣りのイメージへの憧れみたいなものがあります。

なんだかんだ理由をつけてベイトリールを否定する方もおられるでしょうが、かっこいいという事実は否定できません。

ABUのアンバサダーが現在でも売れ続けているのは、まさにそれを体現しているといって差し支えないでしょう。

スペックやコストパフォーマンスだけで道具に優劣をつけられないことは、釣果において、数や大きさだけでは計れない満足度や達成感があることが証明しています。

 

まとめ

ベイトタックルに否定的なことばかりとなってしまいました。

でもわたくしはベイトタックルしか持っていないですし、ベイトタックルによるシーバスゲームを続けています。 

もっと言ってしまえば、これから先、釣りのターゲットが変わることがあってもベイトタックルを使うことでしょう。

それはベイトを愛しているとか、何かのジンクスだとか、そんな心に十字架を背負うようなことではなく、ただベイトタックルに満足しているからです。

スピニングは知っているけどさしたる興味がないので、結果ベイトを使い続ける。つまり、マイルドヤンキーみたいなものです。

 

よしんばマイルドヤンキーのようにベイトタックルにも多大な経済効果が見込まれて、気がついたら世の中で騒がれるようになっていたとしたら、そのとき初めて思うかもしれません。

恥ずかしい。と。